-
【 原画 】Neutrino 一点物 絵画333mm*333mm* 張りキャンバス
¥30,000
楽曲「Neutrino」のジャケット画像に使用された原画。作曲家・葛西レオ本人が描いた希少な一点モノ。サイン付き。333mm*333mm* 張りキャンバス 【 Neutrino 】 「ねえ」とその夜、彼女が言った。「舞台に役者がひとりしかいないのに、完璧に群衆を演じられるのって、すごいと思わない?」 「...誰かの話?」 「ううん、別にただの話。音楽でもそういう瞬間って、あるでしょう?」 彼女は音大の同級生だった。専攻はピアノ。地球から遠く離れたオリオン星系の第7惑星から来たという。観光目的ではないし、侵略でもない。ただ、"少し息抜きがしたかっただけ"と言った。ちなみにその惑星にはコーヒーがないのだと言う。あと、ピアノも。 「この世界もね、実はひとつの粒子だけでできてるんだと思うの」 彼女は手際よくお湯を沸かしながら続けた。 「その粒子がすごい速さで動いて、いろんなものになってるみたいな。人になったり、鳥になったり、このスクリャービンの頭の付点8分になったり」 彼女の言葉は、いつもすこし音楽に似ていた。意味よりも響きが先に届く。 「だからこの世界は、一人芝居なの。たったひとつの粒子が、全てを演じてる」 僕は窓際の椅子に座って、夜の空気を深く吸い込んだ。遠くで小さく電車の音がしたけど、それはたぶん記憶の中の音だった。 「じゃあ、もしその粒子が止まっちゃったら?」 「うーん。世界は終わっちゃうかな。でもね、粒子は止まらないの」 「どうして?」 「止まったら、自分が本当は"ひとり"だったって気づいちゃうじゃない」 彼女はゆっくりドリップを終えると、僕のカップに静かにコーヒーを注いだ。 そして、自分のカップには触れなかった。 ⸻それからまもなく、彼女はいなくなった。 ほんとうに静かに、そっとこの世界から姿を消した。 信じられないようで、でもどこかで「そうかもしれない」と思っている自分もいる。あの時の言葉たちが、種明かしのようだったから。 「この世界は一人芝居」 この言葉を、あれから何度も思い出す。 誰かのセリフのようで、でも、たしかに彼女自身のものだった気がする。 最近、古いレコードをかけていたら、途中で針が少しだけ跳ねた。 その一瞬の静けさが、彼女の間の取り方に似ていた。 今もたったひとつの粒子が、誰にも悟られない様にしっかりとこの世界を奏でているのかもしれない。どこにでもいて、同時にどこにもいない。 ⸻世界はまだ終わっていない。粒子は今日も動き続ける。 Reo Kasai WADO The Symphony 「Neutrino」 より抜粋 linkco.re/QA6zMvmE
-
【 原画 】Mr. Green EEL 一点物 絵画333mm*333mm* 張りキャンバス 右肩上がりの昇竜。
¥30,000
楽曲「Mr. Green EEL」のジャケット画像に使用された原画。作曲家・葛西レオ本人が描いた希少な一点モノ。サイン付き。333mm*333mm* 張りキャンバス 右肩上がりの昇竜。 【 Mr. Green EEL 】 吾輩はウナギである。 名前はまだない。 いや、正確に言えば、名前は無数にあった。銀河の回廊を漂っている間に、古代シリウス語で「ナイ=クル」、プレアデスの子どもたちからは「コルモノン」、そして地球では、ある老漁師が小さな声で「こりゃ龍神だ、、」と呟いた。 それが一番気に入っている。 しかしまあ、呼び名なんてどうでもいい。 吾輩はただ、泳いでいる。空間を、時間を、夢を。 「名前を持たぬものよ」 ある夜、夢が語りかけてきた。 「あなたの中に世界が折りたたまれている」 ああ、そうかもしれない。 吾輩はウナギである。 だが同時に、記憶の運び手であり、夢の守り手であり、この銀河を支える龍神の遠い断片でもある。 今夜もまた、ひとつの夢が終わり、ひとつの宇宙が始まる。名前はないがこの意識にも意味はある。 そして世界は今日も少しだけ紡ぎ出されていく。 REO Kasai WADO The Symphony 「Mr. Green EEL」より抜粋 https://linkco.re/RSzgh94x?lang=ja
-
【 原画 】Cola Bugs 一点物 絵画333mm*333mm* 張りキャンバス
¥30,000
楽曲「Cola Bugs」のジャケット画像に使用された原画。作曲家・葛西レオ本人が描いた希少な一点モノ。サイン付き。333mm*333mm* 張りキャンバス 【 Cola Bugs 】 超能力者は甘味を好むという。 事実、僕の知っている超能力者「Cola Bugs」は、1日最低でも3本のコーラを飲んでいたし、しかもそれが常温でなければならなかった。彼いわく、冷たい炭酸は「予知能力を乱す」らしい。僕には理解できない理屈だったが、彼はいたって真面目だった。。 「この世界はね、泡でできてるんだ」 彼はそう語って、瓶のコーラを傾けた。泡の音が静かな部屋に広がって、まるで宇宙の片隅から届いた微かな信号のように聞こえた。 「あとね、君のとこの電子レンジ、3日後に爆発するよ。でも心配いらない。その代わり、世界は救われる。」 正直なところ、僕は何の話かさっぱり分からなかったが、彼の目にはある種の"正しさ"が宿っていた。 彼の話によれば、宇宙というのは、実は一つの巨大なパラドックスでできている。時間は線ではなく、コーラの泡のように無数に生まれて浮かんでは闇に消える。そして彼は、その全ての泡の流れを読めるのだという。 3日後、目の前で本当に電子レンジは爆発した。音は小さく、まるで宇宙の片隅で猫がくしゃみをしたようだった。 「君が電子レンジを観察していなかったら世界は救われなかった」と彼は言った。 「見ていなかったら未来は興味を持たなかったからね。宇宙ってのは誰かが見てくれたってだけでだいぶ優しくなれるんだよ。」 ⸻彼はそれきり姿を消した。 僕の手元には、空になったコーラの瓶と、ひとつのメモだけが残されていた。 「すべては泡である。そして泡には中心があって君と同じ形をしている。」 それから僕もコーラを飲むようになった。泡の音に耳を澄ませながら、たまに思うのだ。 宇宙の正体は、孤独なただの寂しがり屋なのかもしれない。 そしてそれは、案外悪くない真理だとも思う。 REO Kasai WADO The Symphony 「Cola Bugs」より抜粋 https://linkco.re/mtDq8zN2
-
アルバムCD 「Ars Nova」葛西レオ(tp) & 山野 友佳子(Rhodes Piano)
¥2,200
稀有のハスキーサウンドで鮮烈な印象を齎すエモーショナルなトランペット(葛西レオ)と、1970年代の生エレクトロニックピアノ「Fender Rhodes 」(山野友佳子)のレトロサウンドが織り成すJAZZアルバム。 ノスタルジックでありながら未来的、ダイナミックかつしなやか、相反する要素が同時並行しながらも毅然としたDUOの表現世界を構築した交感の構図は新感覚の格好良さを提言していく。(全編オリジナル楽曲) 1. Coke Bugs 2. Love Coke! 3. Onion Blossom 4. Rising Orion 5. I no ue no Kawazu Recorded at ReoNa Symphony, Inc. - 2022 Photo : Shigeru Uchiyama / Whisper Design : Tomoe Gamo Assistant Engineer : Rosa Lisfalt Produced by Reo Kasai & Yukako Yamano